今日の昼寝の夢

うちの父親は戦争はギリギリ体験していませんが、夢の中では空軍の物資配送隊みたいな感じでした。当時の話を聞きながら、同時に自分もその現場にバーチャルで存在しています。白黒のフィルムの様な空間にいながら父親に当時の話を聞いています。上空に若かりし日の父が操縦する戦闘機がゆっくり飛んで来ます。と、その時、私の数キロ先から凄まじい爆発音が響きました。キノコ雲です。「原爆だ!」と思った私はすぐに遠くに逃げようと引き返します。この時私は、父がいた操縦席に、父とすり変わって座っていました。遠くへ、遠くへと必死に飛ばす私の飛行機、その隣を凄いスピードで通り抜ける一機。父です。「お前達のおるけん戻らんばと思おてさ。早く戻らんと爆風で戻れんくなるけんねぇ」と幼い私をひざに載せて父は目を細めて当時を振り返ります。恥ずかしい、自分だけ助かろうだなどと!Uターンをするも爆風で安定せず、空っ風の吹かれた枯れ葉のように私の乗った機は吹き飛ばされたのです。「そいじゃあ行こうかね」と、父と私と、まだヨチヨチ歩きの弟で、ある寺院へ向かいました。ある無縁仏の前に立った父は小さな壷を取り出し、そこから白い欠片を大事そうに取り上げて、焼香器で焼き始めました。親友のようです。「お前も焼いてあげて」とその父の友達の欠片を一つ、火に落としました。弟も父に抱えられ、欠片を火に焼べます。そして父は、「お墓参りは大事にせんばよ」と、幼い我々に言い聞かせています。そこで夢は終わりです。
終戦記念日の今日、誰かが私に諭してくれたのかもしれません。