ピース☆とか簡単に言うな

kwsk2004-01-24

僕の学校のOBの方々がKUFU(http://kufuart.com/)というアート集団をやっている。そこに先日下の文が掲載されていた。

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★以下全ての文章・コメント等は、作家・宮内勝典さんのHP(http://pws.prserv.net/umigame/)にあったものです。

「あるイラク人から、日本人への手紙」【転送・転載歓迎】

 NGO活動をしている友人が、バグダッドから送られてきたメールを転送してくれました。Yahoo Japan で、日本のNGO団体のメールアドレスを見つけて発信してきたそうです。
 一読して、激しく胸を揺さぶられました。ぜひ、多くの日本人に読んでもらいたいと思っていたところ、友人から二信目が届きました。
 バグダッドにメールを送り、本人に確認したところ、公表してもいいという返事があったそうです。さっそく、ここに転載します。NGOメンバーたちによる翻訳を添えます。
 訳文では、原文の Please という一語が省略されていました。その Please という言葉に、切実な叫びがこもっていると感じられますから「どうか」という言葉を(原文通り)二か所に挿入しました。さらに、読みやすく改行をほどこし、一部、訳文を補いました。
 発信者に危害が及ばないように、名前の部分だけ●●●●で消しました。あとは、すべて原文のままです。文末の Rei とは、空手を習っているというので、おそらく、日本語の「礼」のことだろうと思います。  一人のイラク人の悲痛な声が、日本中に届くことを願っています。みなさん、この「日本人への手紙」を、できるだけたくさんの友人・知人たちに転送してくださいませんか。無断転載も、もちろんOKです。どうか、よろしくお願いします。宮内勝典(作家)
(■英文は省略させて頂きます。KUFU) 

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 私は、Yahoo Japan で、あなた方のメールアドレスを見つけました。私の名前は●●●●といい、イラクバグダッドで暮らす高校教師です。
 私は、空手と日本語を学びました。私はいつも、日本および日本の人々を尊敬しています。
 米国の侵略を支援するためにイラクに日本の軍隊が来るというのは、私たちにとって恐ろしいニュースでした。
 私は、サダム・フセインを支援したことはありません。しかし、米国は武装強盗です。彼らは、毎日イラク人を殺しています。そして、普通の市民はだれも彼らを支持していません。今、ますます多くの人々が抵抗運動に参加しています。彼らは旧体制の残党でも、テロリストでもなく、普通の人たちです。
 もし、仮にどこかの国が日本を侵略したとしたら、人々がどのように行動するか想像してください。まさしく同じことが、ここで起こっているのです。イラクを再建するのは、イラク人であるべきです。決して、侵略者ではありません。
 米国の連合軍としてイラクに来ないでください。イラク人は日本を尊敬していますが、今、日本の軍隊がイラクに来れば、日本はイラク人とイスラム教徒全体の敵になるでしょう。すべてのイラク人が、日本に対して失望するでしょう。偉大な国である日本は、過去の歴史においてイスラム教徒と敵対したことがなかったからです。
 米国を支援することに、日本人の生命を含め、あらゆる損失を被るだけの価値はまったくありません。侵略者が去った後なら、私たちは日本を歓迎します。しかし断じて「今」ではないのです。
 どうか、日本の人々に、私たちの本当の気持ちを伝えてください。日本の軍隊は、わが国を侵略してはなりません!
 私は日本を愛しています。ですから、どうか、私たちの敵にならないでください。私たちは、日本が独立した国として正しい決定をすることを願っています。
●●●●バグダッドイラク
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宮内勝典さんのコメント>>>
上記のイラク人からの「手紙」にもあるように、これまでイスラム世界と日本は、一度も敵対したことがなかった。私はイスラム世界の十数か国を歩いてきたけれど、日本人であるからといって不快な思いをしたことは一度もない。日本人に対して、みんな友好的であった。ラマダン(断食の月)のときは、日没後、初対面の人たちからよく夕食をもてなされた。
 日本はかつて、アジア各国を侵略した。アジアの人びとはそれを忘れていない。虐げられた者は、決して忘れない。その歴史が、いまも日本への不信の根となっている。
 だから、日本は経済的なスーパーパワーをもちながら、アジアのリーダーになることもできない。日本を国連の常任理事国にすべきだという声も、アジアから湧いてこない。これは淋しく、恥ずかしいことではないか。
「どうか、私たちの敵にならないでください」  という一人のイラク人の声に、耳を澄ませるべきだ。いま自衛隊を派遣して、イスラム世界の敵になれば、かならず歴史的な遺恨を残すだろう。産油国イスラム社会の敵になることは、国益にも反するはずだ。長期的な目で歴史を見すえながら、冷静に、賢く対処していくべきだと思う。
「あるイラク人から、日本人への手紙」を、どうか一人でも多くの友人知人たちに転送してください。
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それでもこれを読み行動を起こす人はいない。でも考える。その考えが人を動かす。